4661 オリエンタルランド 安値更新から回復も下落続く理由は?

株式情報 投資戦略 日本株 2025.05.01

高橋 佑輔 高橋 佑輔

4/28に本決算を迎える 4661 オリエンタルランド ですが、なかなか下落が止まらず下落傾向が続いています。  

 

同社の株価は、2023年夏場まで順調に株価が上昇し、終値で5500円付近に到達していました。それが半値まではいかないものの、それに近い水準まで下落し直近では3000円前半まで下落しています。  

 

なぜ下落が止まらず、ここまで続いているのでしょうか。今回はその理由をデータ分析します。  

 

4661 オリエンタルランド直近の動向

同社は1/30に年初来高値まで上昇したものの、昨年11月以降下落が続き4/3には年初来安値を更新しました。  

 

その安値更新から直近は下落前水準に回復したものの、依然として1月のような上昇は見られないまま、下落トレンドを抜けきれない状況が続いています。また、長期的に見ても2024年1月から下落が続いています。  

 

なぜ、同社の株価下落は止まらないのでしょうか。そして、下落の理由はどのようなことがあるのでしょうか。  

 

そこで本決算発表直後となる4月下旬の具体的な予測レンジである上値・下値目安を計算し、同社の株価下落の理由と今後の動きを予測してみましょう。

4661 オリエンタルランド過去25年のデータから見る4月の株価動向は?

まず同社の株価が、決算月の1ヶ月間(4月初旬~4月下旬)で、例年どのような傾向が見られるのか分析してみます。そのデータ分析の結果はこちらです。

 

2000年から2024年の株価の推移を見ると、上昇傾向が12回、下落傾向が13回見られます。この数字を見る限り4月の株価は上昇傾向と下落傾向が均衡していると読み取れます。  

 

変動幅を見ると、10%以上の変動は、ほぼ10%の変動も含めると、上下合わせて5回見られます。そのうち2回は上昇時、3回は下落時に発生しています。また、下落時は20%には届かないものの15%下落も見られます。  

 

反対に5%以内の小幅変動は、上下合わせて13回見られます。全体からみて半数が小幅変動です。これをふまえると、この時期の株価は小幅変動にとどまる可能性も高いでしょう。

 

あわせて中程度の変動も確認すると、上下合わせて7回見られます。よって、同社の株価は4月下旬に向け、小幅に上昇する可能性と下落する可能性が均衡していると読み取れます。  

 

ただし、その均衡の中でやや気がかりなこともあります。上昇時と下落時を比較すると、10%以上・中程度の変動は下落時のほうが上昇時よりも1回ずつ多くなっています。反対に小幅変動は上昇時が1回多くなっています。  

 

データ分析による株価変動の傾向

 

全体で見ると1回だけなので誤差の範囲とも読み取れますが、長期的に続く下落トレンドが背景にあることを考えると、厳しめにこのデータも見ておいたほうが良いかもしれません。  

 

よって、全体としては上昇と下落が均衡し小幅変動になる確率が高いですが、現状の株価動向をふまえると下落方向へ動くことを予測したほうが良いかもしれません。  

 

もし上昇するとしても小幅にとどまる確率が高いので、全体的に厳しめに動向を見ていくのが良いでしょう。  

 

では、同社の株価は、この決算発表直後の4月下旬に向けどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?

4661 オリエンタルランド株価の予測レンジ

これまでの株価をデータ分析した結果を見る限り、上昇幅は約5.6%、下落幅は約6.1%と考えられます。よって、上値は「3,110円」、下値は「2,764円」が株価の予測レンジであり、今後との目標株価の目安と考えられるでしょう。  

 

【予測レンジ(目標株価)】
上値目安:3,110円
下値目安:2,764円
※3/31終値2,945円を基準に計算

 
 
また、下のレンジグラフを見ての通り、基準値からの変動率が上昇幅は約5.6%、下落幅は約6.1%ということもあり、上下のどちらに進んでも同じくらいの変動があると予測できます。  
 
 
 

株価の予測レンジとチャート分析から見る現状

 

上値の目安に到達した場合は、直近の株価よりはやや下落しましたが、ほとんど変わりません。また75日移動平均線に届きません。  

 

その点をふまえると、株価に勢いがありませんのでここから下落トレンドを抜け上昇することは難しいでしょう。  

 

特に、直近の株価よりも、この上値目安の目標株価が低いのは注意が必要です。これまで様々な銘柄分析を行ってきましたが、これは初めてのケースです。  

 

厳密に言えば、上値目安と言いながら直近よりは下落しますので「下げ止まり目安」と表現したほうが良いかもしれません。それくらい厳しい状況であることは十分に把握しておく必要があります。  

 

現状から見る注意すべきリスク

 

反対に、下値の目安に到達した場合は、4/3につけた年初来安値付近まで一気に下落します。この目安は平均値であることを考慮すると、実際には下振れし年初来安値を更新することも考えられます。  

 

これまでの傾向を見る限り、5%を超える下落時は5~6%でとどまる確率は低く、7~8%まで下落しています。その点を考慮しても、万が一下落方向へ動く場合は、年初来安値更新を想定しておきましょう。  

 

よって、同社の株価は具体的に株価を計算すると、上昇しても実質的には上昇にならず下げ止まりになり、下落する場合は年初来安値更新リスクがあるという、とても難しい状態であることが分かります。

4661 オリエンタルランド|株価下落の理由

ここで改めて 同社の株価が下落している理由を考えてみましょう。  

 

なぜ株価下落が止まらないのか?

 

これまでの分析を見る限り、下落が止まらない大きな理由は「長期の下落トレンド中」だと考えられます。  

 

25日・75日移動平均線だけでなく200日移動平均線も見ると、起伏の少ない滑らかな右肩下がりを描いています。そして、株価はそこから大きく乖離して200日移動平均線と同じように推移しています。  

 

下落の理由を考えるよりも「上昇の条件」を考えると分かりやすいかもしれません。当然ですが、上昇時は一部の移動平均線が横ばいであったり多少右肩下がりであることはありますが、大まかに見ると右肩上がりになります。  

 

今後の株価上昇の条件

 

他にも例えばゴールデンクロスのように短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けすることも条件でしょう。具体的に言えば、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜けする状態です。  

 

または、その手前の段階として、各移動平均線が現状のように乖離せず、まずは接近することが必要です。  

 

ファンダメンタルズ分析で必要な要素もあるかもしれませんが、テクニカル分析を中心としてデータ分析では、よほどの材料がでない限り、ここから再上昇するのは難しいと読み取れます。  

 

つまり、株価が下落している理由は、下落トレンドを脱するほどの大きな材料がないと考えられます。  

 

将来の見通し

 

決算発表が材料となり下落トレンドを脱することを期待したいところではありますが、決算発表と株価には想像よりも関係性が薄いので、私たちが見る限りこれは材料としては難しいと考えられます。  

 

もしくは、小さな材料が続くことで少しずつ状況が改善されるなど、そういったパターンはあるかもしれません。  

 

いずれにしても、今突入している下落トレンドはかなり深いものになっています。それを抜け出すには、よほどのパワーが必要ですので、楽観的に見るのではなく引き続き厳しめに動向を見ていくのが良いでしょう。  

 

ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2025/4/23時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

株式情報 投資戦略 日本株 2025.05.01

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高橋 佑輔

この記事を書いた人

高橋 佑輔

株式会社SAC Technologies ストラテジストでありトレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

 

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