なぜ、お盆明けは「損切り」と「利益確定」のタイミングが個人投資家にとって難しいのか?
株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.08.06

多くの個人投資家が株式投資の中で、難しいと感じているのが「損切り」と「利益確定」のタイミングでしょう。
実際、私たち独自の調査で約1800名の個人投資家に「投資で最も難しいと感じること」を調査したところ、このようなものがTOP3に出てきました。
目次
個人投資家が「投資で最も難しい」と感じることTOP3
第1位:損切り・利益確定のタイミング
第2位:買いのタイミング
第3位:株価動向の予測
大まかに言うと、これは「株価がどのように動くか分からない」ということが根底にあるかもしれません。特に、1位の損切りや利益確定のタイミングは、その後の利益を左右するので緊張感があり、最も難しく感じるのでしょう。
特に、このお盆休み前後は手仕舞いすべきか、値上がりを期待して保有すべきか迷い、判断が難しいところでしょう。
そこで、今回は以前の市場区分での傾向にはなりますが、お盆前後の株価動向を見ながら、「なぜ難しく感じるのか?」を解説します。
東証一部銘柄の株価動向は?
まず、東証一部の全銘柄を対象に、お盆休み前後の株価動向をデータ分析しました。結果は以下の通りです
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2002年から2020年の株価の推移を見ると、上昇傾向が11回、下落傾向が10回見られます。この数字を見る限り、上昇傾向と下落傾向は、ほぼ均衡していると考えられるでしょう。
変動幅を見ると、上下のどちらの変動も、ほぼ5%以内にとどまっています。5%以上は、上下上げせて5回のみでした。
この中で、最も上昇している2003年でも約7%、最も下落している2015年でも約9%の変動にとどまっています。
これをふまえると、東証一部の銘柄は、この時期に株価が変動しにくい可能性が高いでしょう。また、上下のどちらに動くは、ほぼ均衡しているので、その年になってみないと分からないという難しさがあるでしょう。
では、東証二部も同じようにデータ分析してみましょう。
東証二部銘柄の株価動向は?
東証二部の全銘柄を対象に、お盆休み前後の株価動向をデータ分析しました。結果は以下の通りです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2002年から2020年の株価の推移を見ると、上昇傾向が9回、下落傾向が12回見られます。この数字を見る限り、ほぼ均衡とも読み取れますが、やや下落傾向があると考えられるでしょう。
変動幅を見ると、東証一部と違い、5%以上の変動が目立ちます。5%以上変動が8回見られ、その中に10%以上の変動が3回ありました。
よって、東証二部の銘柄は、この時期は基本的に株価は動きにくいが、突発的にやや大きく変動することがあると考えられるでしょう。
2009年以降は、ほぼ5%以内にとどまっていますが、その年の状況次第で、2015年のように10%以上の下落があることは念頭においたほうが良いかもしれません。
そういった意味では、あまり傾向が見られないので、東証一部同様、売買するのが難しい期間かもしれません。
では、最後に新興市場も同じようにデータ分析してみましょう。
新興市場銘柄の株価動向は?
新興市場の全銘柄を対象に、お盆休み前後の株価動向をデータ分析しました。結果は以下の通りです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2002年から2020年の株価の推移を見ると、上昇傾向が9回、下落傾向が12回見られます。この数字を見る限り、ほぼ均衡とも読み取れますが、やや下落傾向があると考えられるでしょう。
変動幅を見ると、5%以上変動が上下合わせて6回ありました。その中でも10%以上の変動は下落時の2回にとどまっています。
ただし、その下落時の変動幅は、東証一部、東証二部の変動幅よりも大きいです。この点は、他の市場にない傾向なので、やや注意が必要かもしれません。
そういった意味では、これまで同様、明確な傾向がない中、突発的な下落の可能性があるのが特長でしょう。それをふまえると、やはり他の市場と同様、売買するのが難しい期間かもしれません。
なぜお盆明けの「損切り」と「利益確定」のタイミングは難しいのか?
難しいのは、このような株価動向を把握しているか、していないかの違いとも考えられます。また、これは「買いのタイミング」や「株価の予測」が難しいと感じる要因の一つでもあります。
もし、このような株価動向を把握していれば、カンの良いあなたは「今は売らないほうが良い」「今は買わないほうが良い」など戦略的な判断ができるでしょう。だから、私は株価の予測はしていません。しているのは、このような株価の動向分析のみです。
このような「株価の法則」を知ることで、個人投資家が難しいと感じる「売り(損切り・利益確定)のタイミング」や「買いのタイミング」を具体的に知ることができます。
もし、あなたも実際に有効な「売買のタイミング」を習得したいなら、「株価の法則=株価の傾向」で考えることをベースに分析をしてみるのも選択肢の一つでしょう。
株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.08.06

この記事を書いた人
株式会社SAC Technologies ストラテジストでありトレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
アクセスランキング
- デイリー
- 週間
- 月間